古河の方より遺言書に関するご相談
2023年10月03日
Q:行政書士の方に遺言書の種類について教えていただきたい。(古河)
初めてご相談させていただきます。私は古河で生まれ育った60代後半の者です。先日、仲の良かった古河の友人が急逝しました。特に持病もなく元気だったのに突然、古河の自宅で倒れたそうです。残されたご家族は今後どうしていこうかと非常に不安でいらっしゃいました。このようなことがあり、私は2人の子供たちのために遺言書を残そうと思うようになりました。相続財産は古河にあるいくつかの不動産と、多少の預貯金です。相続の際に子ども達が揉めることなくスムーズに遺産分割をしてほしいのと、彼らは仕事や家庭が忙しいので、相続手続きに多大な時間を割いてほしくないという思いから遺言書の作成に興味を持ちました。遺言書を作成しておけば、私自身も安心した余生を送れると思います。ただ、遺言書についての知識がないため、まずは遺言書の種類について教えてください。(古河)
A:3種類ある遺言書(普通方式)から、ご自身に合ったものを選びましょう。
遺言書ではご自身の財産を「誰に、何を、どのくらい」相続させるかなどといった分割内容を自由に指示する事ができます(遺留分には注意します)。遺産分割では原則、法定相続分よりも遺言書の内容が優先されるため、遺言者とご家族が納得のいく内容を検討して作成することが重要といえます。
遺言書のない相続では相続人全員による遺産分割協議を行なうことになります。ご相談者様の相続財産には不動産が含まれているため、その額は大きくなる恐れがあり、相続トラブルに発展する可能性が低くありません。また、不動産は現金のようにそのまま分割することができないため通常の相続よりもお時間がかかることになります。しかしながら、遺言書があれば相続が開始されても相続人は遺産分割協議を行う必要はなく、遺言書の内容に従って相続手続きを行なうだけで済みます。したがって、遺言書を作成することでご家族同士の揉め事といった無用なトラブルを回避できる可能性があるのです。
なお、遺言書は相談者様が元気なうちに、作成することが好ましいと言えます。
次に、3種類ある遺言書(普通方式)についてご説明いたします。
①自筆証書遺言 遺言者が全て自筆し、作成します。費用も掛からず手軽ですが、遺言の方式を守らないと無効となります。また、法務局で保管されていない自筆証書遺言を開封する際には家庭裁判所において検認の手続きを行なう必要があります。なお、財産目録はご家族などがパソコンで作成して、通帳のコピー等を添付することもできます。
②公正証書遺言 公証役場の公証人と証人が立会い、公証人が遺言者から内容を聴取して作成します。法律の知識を持った公証人が作成するため方式についての不備がなく、確実な遺言書です。原本は公証役場に保管されるため検認の必要もなく、偽造や紛失の心配もありませんが、公証人と証人の日程調整に時間を要するのと、多少の費用がかかります。
③秘密証書遺言 遺言者が自分で遺言書を作成、封をして提出し、公証人が「遺言書の存在」を証明します。本人以外が遺言の内容を知ることはありませんが、方式の不備で無効となる恐れがあるため、現在あまり用いられていません。
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