古河の方より遺産相続についてのご相談
2021年12月01日
Q:行政書士の先生にお伺いします。遺産相続において、相続財産が不動産しかない場合の均等な分け方について教えて下さい。(古河)
先日亡くなった父の遺産相続で困っています。相続人は私と妹の二人です。父は生前、古河の実家で一人暮らしをしており、妹は結婚して古河から離れていたため、私が日ごろから足の悪い父を手助けしていました。古河の斎場で葬式をした際は妹も駆けつけてくれ、今は姉妹で助け合って遺産相続手続きをしています。遺産を分けるにあたり、財産を把握する必要があったのと、遺言書を探すよう知人に言われたため父の遺品整理を行ったところ、父の住んでいた古河の自宅と、アパート一棟があり、現金はほとんどありませんでした。遺言書も見つけることは出来ませんでした。父の残してくれた不動産を売るつもりはなく、かといって、遺産は不動産しかありません。このような場合の遺産の均等な分け方について教えて下さい。 (古河)
A:遺産相続において、遺産が不動産だけであっても、不動産を手放すことなく均等に遺産分割する方法があります。
遺産相続では、遺言書が残されていたかどうかが非常に重要となります。遺産相続において、遺言書が残されていた場合は、遺言書の指示に従って遺産分割を行えばいいので、遺産分割についての話し合いである「遺産分割協議」を行う必要はありません。
ご相談者様のお父様は、遺言書を残していらっしゃらなかったようですので、今回は遺言書がなかった場合の遺産相続についてご説明します。
故人(被相続人)が生前所持していた財産は遺産相続が発生すると、相続人の共有の財産となります。したがって、遺産を分けるため、遺産分割協議を行う必要があります。お父様の遺産である不動産についても、今は妹様とご相談者様お二人の共有の財産ですので、相続人であるお二人が話し合う必要があります。
不動産を売却しない場合の二つの方法をご紹介します。
【現物分割】
被相続人の遺産をそのまま分割する方法です。ご相談者様の場合は、ご姉妹でご自宅とアパートをそれぞれ分けます。不動産評価が全く同じとはならないため、不公平が生じることもありますが、相続人全員が納得すればスムーズな遺産相続となります。
【代償分割】
不動産を手放すことなく遺産分割を行うことができる方法です。相続人で分ける際、一人ないし何人かが被相続人の遺産を相続する代わりに、他の相続人に代償金または、代わりとなる財産を渡します。相続した自宅に相続人が住んでいる場合などに有効な方法ですが、遺産を相続した人は、まとまった額の現金を用意しなければなりません。
なお、不動産を売る場合は、売却金を相続人で分割する【換価分割】という方法を行います。
今回のご相談者様はまず、お父様のご自宅とアパートの評価を行ってから、遺産分割について姉妹でご相談されることをお勧めします。
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